社長の一言

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山形の中小企業がSDGsに取り組むメリットとは?(1/3)

※この記事は山形県議会傍聴した折に縁あって山形最後の郷土誌、山辺町の『くわご』に掲載されました。当時はSDGsに取り組み始めて3年経った頃。SDGsの普及と行動変容を促すことを目的として執筆した内容になります。

「お先は真っ暗、いっそのこと生まれてこない方が良かった。」

 「親ガチャ」という言葉はご存じだろうか。あのガチャガチャとダイヤルを回すと出てくるカプセルおもちゃである。どういう境遇に生まれるかは運まかせ。冒頭の書き出しは今に生きる若者たちの心の叫びが「親ガチャ」に込められている。2021年流行語大賞にノミネートされているほどの語彙で、自助で切り拓くのは困難な閉塞的な未来を風刺した強烈な言葉である。

 これは日本に限ったことではない。欧米では3年ほど前から「OK Boomer」という語彙が流行っていて、若者がベビーブーム世代を揶揄する時に使われている。時代を謳歌したベビーブーム世代が遺してきたツケのせいで、

「気候危機や格差社会で私たちの未来を奪わないでほしい!」

という意味が込められている。未来を感じられないのは日本だけでなく欧米先進国の若者たちも同様だ。

 

 小生も親ガチャという意味では恵まれた家庭では無かった。親がやっていた事業が傾き、住んでいた家は奪われ、病弱な父の代わりに生計を助けるため、夜間の高校に進み、二つの新聞配達と日中はアルバイトをして支えていた。ちょうどこれからという時の二十歳の頃には、父の他界とバブル崩壊が重なるように襲ってきた。でも、今の時代のような閉塞感は無かった。まだ夢と希望に溢れていたものである。

 あれからもう30年が立つのかと、振り返れば時の経つ速さに驚かされる。一男一女は成人を迎え、小生の若かった時代に重ねると、生きていくことの難しさが、小生が行なっている事業を通しても身に沁みて感じられる。

 「失われた30年」と揶揄される様に、特に日本での暮らしや経済環境は厳しさを増すばかりだ。

 こうなってしまったのも、人口が増えることが経済の発展や国力と信じて進めてきた結果、小生が生まれてから今日までの50年の間に、人類史で言えばたった半世紀の間に世界の人口は倍増。まるで癌細胞が増殖するかのように人口が増え、癌細胞が転移し、様々な組織を破壊するかのように、資源問題や温暖化、環境汚染、格差・貧困問題等が我々の未来の妨げとして顕在化してきた。人類は地球のがん細胞そのものではないかと思ってしまう。もはや世界の人口を支えるには地球1・7個分、日本と同じ水準で暮らしたら2・8個分、アメリカと同じ水準なら地球5個必要と言われているほど急速に環境が破壊され資源が不足していて、一部の富裕層が宇宙船地球号という泥船を捨てて火星を第二の地球にしようという試みにも納得してしまう。それほど未来には閉塞感が渦巻いているということだろう。

 気づけば、ラジオでは「SDGs一緒に歩こう、YBC!」はじめ、テレビ、新聞、YouTube等々あらゆるメディアでSDGs(えすでぃーじーず)という語彙が飛び交っている。Sustainable(持続可能な) Development (開発)Goals(目標)、持続可能な開発目標と訳されるが、持続可能な社会を目指して個人、組織、社会が一体となって取り組むスローガンが連呼されるほど助けを必要としているのだが、どこから手をつけたら良いのか分からず手をこまねいている状況が大半だ。

 これは、「風が吹けば桶屋が儲かる」というように、経済は複雑に絡み合っていて難解で、グローバル経済によって地球の裏側とも互恵関係が結ばれている今の社会ではさらに難解さを極めている。これを紐解くには自分ではどうにもし難いと思ってしまうのは仕方のないことなのかも知れない。

 ところが、SDGsについて特筆すべきは今の子供たちである。かつてないスケールの新人類ではなかろうか。生まれながらにしてデジタルに慣れ親しみデジタルネイティブなだけでなく、小学校から大学に至るまでSDGsにふれあうSDGsネイティブな世代が社会に送り出されている。SDGs卒論・SDGs課題・SDGsレポートと、SDGsが体の隅々まで染み渡るようなSDGs教育を受けているのだ。あろうことか「SDGs疲れ」という語彙まで派生しているほど、「持続可社会」への探究心や「利他の心」が育まれているのだ。

 これらの教育の成果は、社会貢献意欲が高く、地球の裏側で起きていることにも耳を澄ます能力を身に付けている。就活では「エシカル(倫理的な)就活」と言われる、企業がSDGsの取り組みや、社会貢献に寄与しているか否かを将来性の指標として、就活の判断軸にする嗅覚や、ブラック企業を見分ける能力にも長けている。

 これは、実際に教育の場であったエピソードである。

山形の中小企業がSDGsに取り組むメリットとは?(2/3)に続きます

 

 

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